宝石の硬度
宝石が付いているジュエリーを購入する際に気にして欲しいのが、宝石の硬さを表す硬度。綺麗で人気のある宝石は硬度が高いことも重要です。硬度が低い石は割れやすかったりメンテナンスが難しい場合があります。硬度が低い宝石の場合、経年による砂埃(環境に遍在する石英など)による風化・劣化のために、観賞価値が失われてしまうケースがあります。
硬度が高くて人気のある宝石は、モース硬度10のダイヤモンド、モース硬度9のルビー・サファイアは取り扱いしやすくて定番で人気のある宝石です。硬度が低くても人気のある石はあります。硬度以外の条件として色彩、透明度、希少性など鑑賞的価値・財産的価値・所有の欲求を満たす宝石を好む人も多くいます。
 |
モース硬度
|
宝石
|
特徴
|
ヌープ硬度
|
10
|
ダイヤモンド
|
地球上で最も硬い物質 日常使いに最も適す
|
7000-8500
|
9
|
ルビー、サファイヤ
|
ダイア以外には傷つけられない。日常使いに適す。
|
1600-2000
|
8.5
|
アレキサンドライト
|
強い衝撃をうけると稀に欠ける事が有る。
|
−
|
8
|
エメラルド、トパーズ、スピネル
|
強い衝撃をうけると稀に欠ける事が有る。
|
1200-1500
|
7.5
|
アクアマリン、ガーネット ジルコン
|
−
|
−
|
7
|
アメジスト、シトリン、ペリドット
|
ヤスリでキズがわずかにつく
|
−
|
6.5
|
オパール、ムーンストーン
|
−
|
−
|
6
|
ターコイズ(トルコ石)
|
−
|
−
|
5
|
−
|
−
|
−
|
4
|
真珠(パール)、マラカイト
|
−
|
−
|
3.5
|
珊瑚(サンゴ)
|
−
|
−
|
3
|
−
|
−
|
−
|
2.5
|
琥珀(コハク)
|
−
|
−
|
2
|
−
|
−
|
−
|
1
|
−
|
−
|
−
|

宝石の硬度を知る尺度となるモース硬度(モースこうど)があります。宝石の硬さの尺度として、1から10までの整数値を考え、それぞれに対応する標準物質を設定しています。
|
モース硬度
|
モース硬度標準物質
|
モース硬度標準物質についての説明
|
10
|
ダイヤモンド(金剛石)
|
地球上の鉱物の中で最も硬い。
|
9
|
コランダム(鋼玉)
|
石英にもトパーズにも傷をつけることができる。
|
8
|
トパーズ(黄玉)
|
こすりあわせると石英に傷をつけることができる。
|
7
|
石英
|
こすりあわせるとガラスや鋼鉄、銅などに傷がつく。
|
6
|
正長石
|
ナイフで傷をつけることができず、刃が傷む。
|
5
|
燐灰石
|
ナイフでなんとか傷をつけることができる。
|
4
|
蛍石
|
ナイフの刃で簡単に傷をつけることができる。
|
3
|
方解石
|
硬貨でこするとなんとか傷をつけることができる。
|
2
|
石膏
|
指の爪で何とか傷をつけることができる。
|
1
|
滑石
|
最も柔らかい鉱物で、つるつるした手触り。
|
|
「硬さ」の基準は「あるものでひっかいたときの傷のつきにくさ」であり、「叩いて壊れるかどうか」ではありません。ジュエリーを買い求める際にダイヤモンドは割れないと思っている方がほとんどですが、それは誤りです。例えばダイヤモンドをハンマーで強く叩くと簡単に割れてしまうこともあります。また、これらの硬度は相対的なものであるため、モース硬度4.5と示されている2つの鉱物があったとしても、それらは同じ硬度とは限らない。これは蛍石で引っかくと傷がつかず、燐灰石で引っかくと傷つくということを示すのみです。数値間の硬度の変化は比例せず、硬度1と2の間、9と10の間の硬度の差が大きいことも特徴的です。
モース硬度の「モース」は、この尺度を考案したドイツの鉱物学者フリードリッヒ・モースに由来している。
劈開(へきかい)について、
靭性(じんせい)ついて
|
|
|
|